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玉蟲左太夫研究序説
——「航米日録」巻一における沈黙と忍耐——

髙槗茂美

咸臨丸に乗った勝麟太郎と福沢諭吉が近代日本を牽引した言わば英雄であるとするならば、彼らの栄光とは違った角度から輝きを放つ、日本の近代化を成し遂げようとした英雄もまた多く存在する。その一人がポーハタン号に乗った遣米使節の随臣の一人で帰国後『航米日録』を著した、玉蟲左太夫(たまむし・さだゆう)である。

本書は、玉蟲の人生を辿りつつ、『航米日録』の執筆の周辺を考察する。

(序論より)

【目次】