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いほぬし精講

増淵 勝一 著

 平安朝天暦(947)~長徳(995)期に活躍した歌僧増基の家集の全注釈である。底本は二条為氏筆本の流れをくむ類従本。「熊野紀行」「雑纂歌集部」「遠江の日記」の三精講に、「本文拾遺」精講を加えた全126首に校訂・通釈・評釈・評説をほどこした。巻末に解説・歌句および事項索引・参考文献を付載。評説に最も力を入れて、本書の文芸的価値や時代環境・執筆意図等を追求。従来不明であった増基の伝記や『いほぬし』の成立年代等についても新説を提起。王朝日記文学の研究に新展開を促すものである。