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枕草子精講 研究と評釋(復刻)

五十嵐 力・岡 一男 共著

五十嵐力博士の名講義「枕草子評釈」が全編の三分の一にとどまっていたのを惜しんで、岡一男博士がこれを継承・補足された全305段の評釈である。底本は『春曙抄』本を中心に、能因本系諸本を参看。研究篇・評釈篇・綜合索引から成る。とりわけ能因本を重視して、成立論を展開。批評・鑑賞に意をそそぎ、『枕草子』の文芸的価値や文章論的な特性を闡明。口訳も原文のもつ香気・含蓄を周到に伝え、そのユニークな簡潔さもよく表現している。