72 女君を選ぶとしたら?

『源氏物語の謎』増淵勝一 著 - 国研ウェブ文庫

これも私の担当する「源氏物語講座」の聴講生にアンケートをした結果です。回答数にはバラつきがあるので、全体を100とし、パーセント(四捨五入)であらわします。

(1)最も好きな女君

①紫の上(43%) ②空蝉・桐壺の更衣・花散里(各9%) ③明石の御方・秋好中宮・浮舟・朧月夜・末摘花・玉鬘・藤壺(各4%)

紫の上の人気がダントツです。美人で、聡明で、やさしく、文句の付けようがありませんね。空蝉や花散里など一見地味で、分をわきまえる女性もそこそこに人気があることがわかります。

(2)生涯の伴侶にしたい女君

①紫の上(33%) ②明石の御方(27%) ③花散里(16%) ④雲井の雁・玉鬘・宇治の中の君・六条御息所(各5%)

生涯の伴侶も紫の上が理想のようですね。明石の御方や花散里が結構健闘していますが、二人とも自分の立場や運命を受けとめて、ガタガタ騒いだりしない性格の持ち主である点が共通しているようです。

(3)恋人にしたい女君

①朧月夜(33%) ②夕顔(27%) ③紫の上(13%) ④雲井の雁・玉鬘・軒端の荻・花散里(各6%)

朧月夜は源氏と兄の朱雀帝に愛されました。夕顔は頭の中将と源氏の恋人でした。二人とも美人で、素直なのですが、少し意志の弱いところがあったようです。恋人のイメージとしては少し遊び心のある女性が現代の『源氏物語』の読者の関心を引いたのかも知れませんね。

(4)友人にしたい女君

①朝顔(44%) ②明石の御方(33%) ③朧月夜(22%)

内容的に(3)の設問と重なるところがあったようで、回答数は多くはありませんでした。色恋沙汰を抜きにした友人としては、やはり独身を貫きながらも、趣味・教養の力を発揮した朝顔や、明敏で、控え目な明石の御方の人気が目立ちました。

この四項目のどれにも推挙されなかった主要な女君には、葵の上や女三の宮や落葉の宮・宇治の中の君・明石中宮・弘徽殿の大后・大宮(左大臣北の方)・源典侍らがいます。お気の毒な女君もいますが、読者の好尚に合わないところや、その人物性に欠陥のあるケースもあるようです。このWeb文庫の読者のご意見はどうでしょうか。

作成日:2015年5月14日

『源氏物語の謎』増淵勝一 著 目次

  1. 『源氏物語』はいつ書かれたか
  2. 『源氏物語』はどんな物語か
  3. 『源氏物語』の巻名はだれがつけたものか
  4. 『源氏物語』の時代設定はいつか
  5. 光源氏に愛された女性の中で、一番しあわせだったのはだれか
  6. 『源氏物語』の伝本にはどんなものがあるか
  7. 『源氏物語』の三大滑稽人物とはだれか?
  8. 『源氏物語』という書名ははじめから付けられていたものか?
  9. 『源氏物語』の「もののあはれ」とは何か?
  10. 紫式部の名の由来は?
  11. 光源氏はなぜ義母の藤壺を思慕したのか。
  12. 「桐壺」とは何か
  13. 「雨夜の品定め」とは何か
  14. 「帚木」とは何か
  15. 『源氏物語』の三箇(さんか)の大事(だいじ)とは何か
  16. 紫式部堕獄(だごく)説とは何か
  17. 『源氏物語』は古人にどう評価されたか。
  18. 紫式部はどういう生涯を送ったか
  19. 登場人物の名づけ親は誰か
  20. 源氏物語の文章の「すべらかし」調とは?
  21. 光源氏の「二条院」はどこにあったか
  22. 源氏物語に描かれた結婚形態とは
  23. 「紅葉賀(もみじのが)」とは何か
  24. 源氏物語に近親結婚が多いのはなぜか
  25. 結婚を拒否する女性
  26. 光源氏はどんな容貌・容姿であったか
  27. 源氏物語の遺跡にはどんなものがあるか
  28. 源氏物語の構成はどうなっているか
  29. 乳母(めのと)とは何か
  30. 源氏物語には何首の和歌があるか。
  31. 「総角」巻の巻名の由来は何か。
  32. 光源氏はなぜ須磨に籠居したのか。
  33. 「夢浮橋」の巻名の由来は何か
  34. 光源氏の経済的基盤はどこにあったか(1)
  35. 弘徽殿の大后のモデルは誰か
  36. 桐壺の更衣のモデルは誰か
  37. 紫式部観音化身説とは?
  38. 光源氏の経済的基盤はどこにあったか(2)
  39. 源氏物語』の登場人物は何人ぐらいいるか?
  40. 『源氏物語』に登場する敵役(かたきやく)
  41. 主な女君たちの命日
  42. 平安貴族の住居はどんなものであったか
  43. 宇治の八の宮は二人の姫君を残してなぜ出家を目指すことができたか
  44. 源氏物語が長い間読まれつづけているのはなぜか
  45. 『源氏物語』の最も古い注釈書とは
  46. 「かがやく日の宮」巻とは何か
  47. 「澪標」の巻名の由来は?
  48. 『源氏物語』に描かれた病気
  49. 紫式部の教養
  50. 古注の集大成―『河海抄』
  51. 世界文学史上の『源氏物語』
  52. 紫式部の学問観
  53. 光源氏薨後の夫人たちの生活は?
  54. 物怪(もののけ)とは何か
  55. 「宿木(やどりぎ)」とは?
  56. 女君たちの魅力は?
  57. 六条院とはどんな邸宅であったか
  58. 女三の宮と柏木との関係を知った光源氏はどう対処したか?
  59. 紫式部の住居はどこにあったか?
  60. 作り物語の『源氏物語』に実在の人物が登場するのはなぜか?
  61. 紫式部と藤原道長の関係について
  62. 源氏物語に及ぼした伊勢物語の影響
  63. 「鈴虫」の巻名の由来は?
  64. 「侍従」という女房の役割は何か
  65. 光源氏が一番美人だと認めていた女君は誰か
  66. 紫式部の墓はどこにあるか
  67. 「雲隠」の巻は原作にあったのか
  68. 男君たちの魅力は
  69. 源氏物語に見える音楽
  70. 年立ての矛盾
  71. 各巻のあらすじ(1)桐壺・帚木
  72. 女君を選ぶとしたら?
  73. 各巻のあらすじ(2)空蝉・夕顔
  74. 『源氏物語』の続編(1)―『山路の露』―
  75. 各巻のあらすじ(3)若紫・末摘花
  76. 『源氏物語奥入(おくいり)』とは
  77. 源氏香とは何か
  78. 平安時代の風呂はどんなものであったか
  79. 牛車(ぎっしゃ)とは何か
  80. 貴族の日常生活はどういうものであったか
  81. 源氏物語にはなぜ大災害が描かれていないのか
  82. 源氏物語にあらわれた宿世観
  83. 源氏物語に登場する僧侶
  84. 『源氏物語』の主役の条件

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